JSL数学について

セルフ・マスキャリアは、日本語を母語とする中高生・一般社会人が日本で学ぶ数学と日本語を母語としない中高生・一般社会人が日本で学ぶ数学を「JSL数学」として区分します。

○日本語を母語とする中高生・一般社会人  → 「数学」
○日本語を母語としない中高生・一般社会人 → 「JSL数学

※JSL:Japanese as Second Language(第二言語としての日本語)

「JSL数学」「CAN DO 数学」です。
日本語で、日本で学ぶ数学を如何に効率的に学び、その数学の知識を進学や就職および仕事に結びつけるか?数学の知識は進学や就職および社会生活をおくるうえで必修です。現状、外国籍住民の数学支援は、主に日本語ボランティアが日本語教育の一端として対応しています。日本語教育(注意:小中高校で学ぶ国語ではない)の知識をもった数学指導者が圧倒的に不足しています。セルフ・マスキャリアは日本語教育と数学学習の両面からのアプローチが可能です。日本語レベルに応じた数学のカウンセリングを心掛けていきます。

日本語レベルに応じた数学学習

初級~中級レベル(N5~N3)

日本語にかんして数学の学習にかんして
●数学方言を使わない
●やさしい日本語を使う
●数学用語の母語併用
●アラビア数字のみ使用。漢数字は使わない
●文字以外のコミュニケーションを重視する
●日本語の使用は最小限にする
●数学 学習履歴の棚卸し
●証明問題の学習は最小限にする
●文章問題の学習は最小限にする
●ノートの書き方のアドバイス
●テストの書き方のアドバイス

中級~上級レベル(N3~N1)

日本語にかんして数学の学習にかんして
●数学方言を教える
●数学用語を教える
●問題文・解説文等の日本語読解能力の向上
●数学 学習履歴の棚卸し
●通常の数学学習

(注意1:上記留意点はセルフ・マスキャリアの指導・カウンセリングに関連したものですので、行政・大学などの教育機関が定めるものではありません。)

注意2:日本語能力試験 認定レベル(N1~N5)
N1:広い場面で使われる日本語を理解することができる
N2:日常的な場面で使われる日本語の理解に加え、より幅広い場面で 使われる日本語をある程度理解することができる
N3:日常的な場面で使われる日本語をある程度理解することができる
N4:基本的な日本語を理解することができる
N5:基本的な日本語をある程度理解することができる

やさしい日本語とは

やさしい日本語(やさしいにほんご、: Easy Japanese、Plain Japanese)とは、簡易な表現を用いる、文の構造を簡単にする、漢字にふりがなを振るなどしてわかりやすくした日本語である。日本語に不慣れな人への情報保障を目的に考案された。出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

やさしい日本語は、1995年阪神淡路大震災の際に外国人に対して災害などの情報伝達を行う手段として始まりました。その後、2004年新潟県中越地震、2011年東日本大震災経て、「災害時のやさしい日本語」が全国に広がりました。近年は平時の外国人支援の手段として各地方自治体が「やさしい日本語」を使用しています。

やさしい日本語のポイント

  • 難しい言葉を簡単な言葉で言い換えたり、専門用語には説明をつけるなど言葉を補ったりします。
  • 漢語(漢字の言葉)は、できるだけ和語(元々日本で使われていた、日本固有の言葉)にします。ただし、漢字圏出身の人に文書で見せる時は、漢字のままでいいです。
  • 外来語や和製英語は通じないことがあります。できれば和語にします。
  • 抽象的な言い方、総称になっているものは、具体的な例を挙げて伝えます。
  • オノマトペ(ザーザー、しとしと、ピカピカ、バタバタ、ふわふわなどの擬音語、擬態語)は難しいので使わないようにします。
  • 対面で話す時は、必要に応じて具体的な物、実物を見せて説明します。
  • 文書では漢字にふりがなをつけると分かりやすくなります。

新潟市HP:やさしい日本語の取り組み より